●月刊Simple 掲載
「NPO&ボランティア情報・市民通信マンスリー」より一部抜粋したWEB版です
【2004/12月号】
ちょこぼらまんが
【ちょこボラの御言葉】
災害支援ボランティアはちょこボラの王道!
現場では、いろんな力が役に立つのだ。

★今月は三重県が被害を受けた台風21号被災地支援ボランティアのお話です…
宮川村の被災現場。

家が一軒、土砂に埋まってしまった

海山町の被災現場。

どんどん水かさが上がって町が水に浸かっていく
まだ途中の写真。
このあと一階の天井まで浸水したという。

(写真提供・海山町「スタジオ一駒」宮本さん)

【台風21号みえ災害救援】三重県ボランティア情報センター
9月29日の記録的な豪雨による水害で被災された県内地域住民に対するボランティア活動の、三重県窓口として、
【台風21号みえ災害救援】三重県ボランティア情報センターが津駅前のアスト津に設置された。
センターは、県の社会福祉協議会、三重県NPO室、そして三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会の市民ボランティアスタッフで運営され、被災地との連携をとりながらボランティアを受け入れるしくみづくりに臨んだ。そして、海山町では、13日に閉鎖するまでにのべ約5000人のボランティアを受け入れる。その裏には、被災者のニーズとボランティアの力を結び付けるノウハウがあり、日頃から防災活動してきたスタッフの尽力があったのだ。

防災ボランティアコーディネーターが
連れていってくれるバスツアー…一人の参加も大きな力に
◆ボランティアパックで被災地へ行く

 今回の災害で、三重県ボランティア情報センターと、その他賛同団体により20台をこえるボランティアバスが出動した。
聞けば、こんな形で一般の個人の方が参加できる災害ボラのしくみ(バス・パック)はどこでもあるものではないそうだ。もちろんそれぞれの団体などで人を募って行くというのは多いが、新聞やインターネットやいろんな情報網でバスが出るのを知らせて「一人でも乗っていける」ボランティアツアーは少ない。
 確かに、運営側としてはかなりの手間やリスクがある。どこの誰が来るかわからない、申し込みがあるか、満席になるかどうかもわからない。でも、一人でも行きたい、ボランティアとして役に立ちたい、と思う人にとっては、これは嬉しい支援システムである。第一、そんな人たちが全員自家用車で乗り付けたりしたら迷惑な話。できるだけ被災者に負担にならないようにしなければいけないはずなのに。バス・パックはそういう意味でも喜ばれる。
 このバスでは、参加費1000円を個人負担にしている。お弁当も飲料水も自分で用意していく。ボランティアなのにお金を払うの?と思う人もいるかもしれないが、バス代の一部負担ということだ。それでも足らないバスのチャーター代は、運営側がボランティア支援金(※1参照)や助成金などで補填し、なんとかまかなっているのだ。また別予算でボランティア保険(一人600円くらい。災害の場合は高いそうだ)もきちんと手当てされているから、安心していけるというもの。

◆受け入れる仕組み陰に専門ボランティア
 
 そして、必ずバスには防災ボランティアコーディネーターがついて、現地に入ってからの作業に無駄がないように、初めての参加で不安のある人にもわかるように、お世話をしてくれていた。
このコーディネーターも実はボランティア(※2参照)。いわばボランティアの専門職である。行政や社会福祉協議会などのメンバーと一緒に緊急召集。ボランティアセンターの運営に携わり、バスの企画や現地のセンターの立ち上げを支援し、現地の状況を知り情報発信する、そしてボランティアニーズの把握、参加者への仕事の配分、トラブルの処理など、ボランティアを受け入れるためのさまざまな作業もボランティアな市民がしっかり関わっているのだ。
 各地での災害ボランティア経験などを積み重ねたノウハウ(近いところでは7月の福井水害にも三重県からボランティアパックが出ている)を結集し、その上で、ボランティアを受け入れセンターを設営するが、地域の事情によってボランティア受け入れ体制も様々。すんなり行くこともあれば、そうでないことも。海山町の場合は、沢山の人が収容できる大きな広場にセンターが設置され、条件はとても良かったという。

◆ボランティア受け入れが終わっても…

 被災者の生活の完全な復旧はまだまだ時間がかかるのはもちろんだが、「ボランティアを受け入れる被災者側も気を使うから、感謝はしつつ、ストレスにもなるものです。いつまでも黄色い名札をつけたよその人がウロウロしていたら地元の人は気が休まらないですからね」ボランティアの引き時というのも大事だとコーディネーターはいう。
 またボランティアということだけでなく、被災の現場では、見えないところで過酷な仕事をしている人が沢山いたことも知っておきたい。そして、自分の地域が被災したらどうだろう。ボランティアの受け入れはできるだろうか?
そんなことも今後のために考えてみてはどうだろう。   (取材/森本かおり)

●写真はボランティアバスで宮川村へいったときの様子。

体育館に入った土砂をとり、使えるように掃除

排水溝の土砂を取り除く作業


※1 
台風21号みえ災害救援ボランティア活動支援金

被災者支援活動に必要な資機材を購入する費用やボランティアセンターの運営費、ボランティアパックで被災地に向かうボランティアの経費の半額支援など、ボランティア活動支援金は被災者支援活動を通じて被災者に今すぐ届く支援だ。

台風21号みえ災害救援ボランティア活動支援金
百五銀行 津駅前支店 普通預金 口座番号 573636

宮川村地域たすけあいセンター災害救援活動支援金
口座名義: 宮川村地域たすけあいセンター
多気郡農業協同組合 宮川支店
普通預金 口座番号 0003366

※2 防災ボランティアコーディネーターとは

災害時に、行政だけでは行き届かない被災者への支援を、どこにニーズ(要望)があるのかを見いだし、たくさんのボランティアの人を結びつける、一人ひとりのやる気を大きな力にまとめあげていく、そんな人材の育成が必要だということで、「三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会」というNPOが養成講座を開講し、それを受講した人で構成されている。現在4期生が受講中。個人ボランティアとして必要な時に活動する方法もあれば、このように普段からノウハウについて学び、組織的に動くという道もあるのだ
★ 忍者のようにボランティアを…

元自衛隊員というコーディネーター、ナガシマさんに聞いた現場での心得。
「ボランティアしにきてあげた、という態度にならないよう気を使う。
忍者のようにこそこそっとやらないとね」
…常に被災者の気持ちを考えよう、それが防災ボランティアコーディネーター
のスタンスのようだ
★サンドイッチマン?

一方こちらはかなり目立つ格好のモリさん。知らない人がバス乗り場に集まってくるため、こんな工夫で楽しげに迎えてくれるコーディネーター。気持ちよく過ごすためのムードづくりも大切だ。
三重県ボランティア情報センター
ホームページの情報で遠方からボランティアも

 ボランティアパックの参加者には、県内だけでなく県外の人も沢山いた。県内は新聞などにも募集状況が掲載されたが、情報センターのホームページで知ったという人も多い。インターネットなら日毎にかわる状況にもすばやく対応できるのがメリットだ。
 行こう、と思った人は、情報をまずネットなどで確認する、というのがいいだろう。直接現地へ行ってしまうのはやめたい。また、宮川村などの例では、危険があるため一般ボランティアの受け入れはしていなかったが、ボランティア希望の問い合わせの電話対応だけで、現地の大切な支援業務に支障がでることも…。情報は一点に集めて発信。そのための県単位での情報センター設置ということでもあるのだ。
 今年の場合、9月末の被害の後、台風が何度も上陸しつつ半月を過ぎて、県内のボランティア受け入れはいったん終了し、ようやく山を越えたと思ったら、今度は台風23号で、兵庫や京都、岐阜での被災、そして新潟の地震…。防災ボランティアの必要性を今年くらい実感した年はなかったのでは?
 ボランティア情報センターでは県内だけでなく、県外のボランティア情報もリンクし、ボランティアできる人への情報窓口となっている。

三重県ボランティア情報センター
http://www.v-bosaimie.jp/mvic/

海山町のボランティアセンター「お疲れさま」【レポート】

センター閉鎖のための後片付けボランティア
地味な作業だけど必要な活動を体験

 海山町に行って来ました。ボランティアセンターを終了した翌日なので、いわゆるセンター撤退のお手伝い。災害日から2週間も過ぎているというのに、大内山村付近から山や川に台風の爪あとが…。海山町に入ったとたん消毒臭くなり、道沿いの家には家具こそ片付けられていたけれど、布団や洗濯物がわんさと干してありました。

本日のお仕事は主に救援物資などで全国から集められたタオル、ゴム長靴、手袋、デッキブラシやホウキ、バケツ、水等などの在庫確認をし、まとめて次の被災地に送ること。広い駐車場で作業をするのですが、途方もないその物資の数。実は私、伊勢の市民活動センターを通してタオルを物資で送りました。しかし、在庫実態をみると、送ることで満足してしまっていた自分にちょっと疑問。しかしそこに、様子を見に来てくれた被災したおばちゃんが「このタオルな〜、本当助かったわぁ」という声を聞いて、少しホッとしました。
ボランティアの方たちは20〜30代の若者たち。千葉から自転車で駆けつけたという若者も…。2週間滞在してボランティアを続けてきた人たちを中心に作業は行われ、彼、彼女たちが言うには、「今までで、片付けというこの地味な作業が一番大変かも…」と、ボソっ。5000枚近い新品と古タオルをたたみ、10枚ずつに分けてくくり、ダンボールに詰める作業。確かに地味で大変であるが、片付けは必要な仕事。「立つ鳥跡を濁さず」ですね。黙々とそれらの作業は夕暮れまで続きました。(それでも終わらなかったけれど…)

 被災地では大小いろんな作業があります。しかもどれも必要で大切なこと。それらどの作業にも対応できる臨機応変さがボランティア活動には重要なのかもしれません。  (取材 野口あゆみ)


ここまで浸水したそうです。

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